2018年11月20日

「水沢ダウン」を徹底検証!ハイスペックと呼ばれる本質に迫る

水沢ダウンは2008年に発売されて以来、毎年冬にかけて注目されているダウンジャケット。
今回は、水沢ダウンが支持されている理由を徹底検証するべく、開発を手掛ける株式会社デサントのR&Dセンターへ取材に行ってみました。

最先端技術を使った新施設で水沢ダウンの機能性を検証

訪ねたのは、大阪府茨木市にある株式会社デサントのスポーツアパレルの研究開発拠点、
通称 "DISC(ディスク)" (DESCENTE INNOVATION STUDIO COMPLEX デサントイノヴェーションスタジオコンプレックス)です。

大阪府茨木市にあるスポーツアパレルの研究開発拠点「DISC(ディスク)」

アパレル研究開発拠点として2018年7月19日に開設。「世界一、速いウェアを創る。」をコンセプトに、競技で勝つための「スピード」を追求したウェアやグローバルマーケットで、他社に「先駆ける」ウェアを開発したいという想いを込めてスタートした研究所です。
DISC(ディスク)では人工的な雨を降らせる「人工降雨室」、アイデアやデザインを、その場でタイムリーにカタチにできる「プロダクションスタジオ※A」、温度と室温をコントロールできる「クライマート(人工気象室)※B」など、最先端の技術を使った設備を整え、機能性などを検証しています。

※A プロダクションスタジオ…型紙作成から縫製まで、サンプル作成の全工程を行うスペース=通称アトリエ
※B クライマート(人工気象室)は2つ存在する。
クライマート1 温度0℃~40℃、湿度10%~95%に設定可能
クライマート2 温度-30℃~60℃、湿度10%~95%(0℃以上の場合に限る)に設定可能

今日は、普段は見ることのできない施設内に潜入して、これらの設備で実際に検証しながら、水沢ダウンの本質に迫ってみました。

防寒着として冬は欠かせないダウンジャケットですが、次のような経験をしたことはありませんか。

  • 濡れると羽毛が傷むので、雨や雪の際にダウンジャケットを着るのはためらってしまう
  • 縫い目から羽毛が吹き出してしまった

従来のダウンジャケットは、「軽量性」と、「羽毛自体の品質」という機能性に焦点が当てられがちでしたが、水沢ダウンは別の切り口で差別化を図りました。機能性に加えて、ユーザー目線で、ダウンジャケットの弱点を改善するというアプローチのもと、誕生したものなのです。

具体的には、「ステッチ」をなくした作りにしていること。それによって

  • 雨や雪でも縫い目から水が入り込まない(=防水性)
  • 体温を外に逃がさない(=保温性)

ことを実現しています。

聞いただけではリアリティが薄いので、どれだけのものなのかを実証するべく、今回3つの実験を行いました。

  • ① 気温5℃の部屋で実験! 体温を外に逃がさない? 保温性チェック
  • ② 雨を降らせて実験! 本当に水が浸入しないか? はっ水性・耐水性チェック
  • ③ 生地を引っ張って実験! ファスナー部分の接着耐久性チェック

では早速、実験を行っていきましょう。

実験① 気温5℃の部屋で実験!

まず向かったのは、温度と湿度をコントロールできる「クライマート(人工気象室)」。この部屋では、温度を0~40℃、湿度を10~95%に設定することができます。

今回は、室温5℃、湿度50%に設定。入った瞬間、寒さで凍えてくるこの部屋で、水沢ダウンを着用したマネキンから、ダウンジャケットの接着部を通じて放熱しないかサーモグラフィーカメラを使って検証します。

マネキンの表面温度を、33℃に設定

サーモグラフィーの見方…青いほど温度が低く、赤いほど温度が高いことを示している。

このマネキンは表面の平均温度が33度になるように設定されています。
「人の平熱は、36~37℃では?」と感じられるかと思いますが、それは「深部体温※C」のことで一般的に皮膚表面の平均温度は33度と言われています。

※C 深部体温…身体の内部の体温のこと

次にマネキンに水沢ダウンを着せたところ。水沢ダウン表面は室温で冷えているので青くなっています。
青いままであれば、表面から熱が逃げていないので内側は暖かいことになります。

つまり、サーモグラフィーが青い=着用者は寒さを感じにくいということです!

室温5℃の部屋で、33℃の表面温度になるように熱を供給する設定にし、水沢ダウンを着用させたマネキンを設置

では、実験開始。
室温5℃の部屋で、10分経過後までの水沢ダウン表面の様子を、数分ごとに見てみました。

5分経過後のサーモ画像データ
10分経過後のサーモ画像データ

なんと、10分たっても、黄色~赤い部分はあまり見られません。体の熱が外に逃げるのを、水沢ダウンがシャットアウトしてくれていることが分かります。これは、羽毛がしっかりと充填されているからです。
脇下が赤いのは通気性を確保するベンチレーション機能が備わっており、ムレを防ぐため放熱できるようになっています。

また、前述したように、もしステッチがあると、そこから熱も逃げてしまいます。しかし水沢ダウンは、「熱接着」という「ノンキルト加工※D」で羽毛を詰めているので、縫い目のないダウンジャケットを実現。袖などの縫製が必要な部分には、「シームテープ加工※E」で水の浸入を防ぎ、保温性を高めることにもつながっています。

※D ノンキルト加工…生地を縫わずに、表地・羽毛・裏地の3層を重ね合わせて特殊な熱圧着を施すこと
※E シームテープ加工…レインウェアなどに取り入れられている防水テープを利用

縫い目から逃げてしまう熱を防ぐと同時に、縫い目から浸入してくる雨や風を防ぐ優れもの。羽毛が吹き出すこともありません。

実験② 人工の雨を降らせて実験!

人工降雨室で水沢ダウンを着用させたマネキン

続いては、はっ水性・耐水性の実験です。人工的な雨を降らせる「人工降雨室」で行います。

先ほどと同様に、マネキンに水沢ダウンを着せてファスナー部分はすべて閉め、フードもかぶせます。

雨の強さと降り方も調整することができますが、今回は「強い雨」に当たる30㎜/時間で実験。
イメージとしては、どしゃ降りで、傘をさしていても濡れるような雨です。では、雨を降らせてみましょう。

雨粒が水滴となり滑り落ちていくのが伝わるでしょうか。ファスナー部分には、止水ファスナーを採用することで、そこからの水の浸入も防いでいます。

はっ水性があるので、付着した水滴も手で払うだけでほとんどが落ちます。タオルがあれば、サッとひと拭き。

はっ水性を担保するためには、生地そのもののはっ水性はもちろんのこと、接着縫製であることは欠かせません。
こうした技術面の品質の高さが、水沢ダウンの真髄かもしれません。

実験③ 生地を引っ張って実験!

水沢ダウンではポケットやファスナー部分も、縫うのではなく接着技術を使って取り付けています。そうすることで、やはり雨や風の浸入を防ぐことになります。その接着の強度を実証できる実験が行えるのが、「機能・品質評価ラボ」。素材やプリントなどの品質の基礎データを収集できる部屋です。ここでの研究により、デサント製品の品質の根幹を支えています。

使用するのは、生地の引っ張り強度をチェックできる機械。ファスナー部分の生地を機械にセットして、一定の速度で引っ張ります。

早速、スイッチON!

あるところまで引っ張ると、ファスナー部分ははく離することなく、生地の方が先に破れました。つまり、生地の強度よりもファスナーの接着強度の方が強いということですね。
(注 生地の強度が弱いというわけではありません。生地も一定の強度を満たしています。)

これだけ強力に接着してあれば、雨風の浸入や、体温が外に逃げる心配もありません。

以上3つの実験を紹介してきましたが、水沢ダウンの「価値」、実感いただけたでしょうか。
「雨に強い」ということを繰り返しお伝えしてきましたが、あくまでも街中で着用するために作られたダウンジャケットです。レインウェアとしての着用はおすすめしていません。しかし、通常、機能性の高いダウンジャケットというとスポーティーなデザインのものが多い中で、水沢ダウンなら外出の際に突然の雨が降ってもスマートな着こなしが可能というわけです。
一度着てみると、その魅力に取りつかれるはず。今年の冬は、ぜひ水沢ダウンを試してみてはいかがでしょうか。

ここではご紹介できなかった機能も数多くあります。ぜひ、専用サイトをご覧ください。

◆お知らせ◆

水沢ダウンが「カンブリア宮殿」で紹介されます

12月13日(木)22時放送  テレビ東京 カンブリア宮殿
村上龍さん、小池栄子さんがさまざまな経済人を迎え日本経済を伝える番組で、水沢ダウンが紹介されます。ぜひご覧ください!


<取材・執筆>

ライター / 加賀 翠