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2019年03月12日

ボディビル世界王者鈴木雅選手直伝!
ジム用トレーニングシューズを選ぶポイント

昨年日本ボディビル選手権9連覇を成し遂げた、ボディビル世界王者の鈴木雅さん。トップ選手はトレーニングシューズへのこだわりも強いはず。今回は、鈴木さん流トレーニングシューズを選ぶ際のこだわりを語ってもらいました。

ボディビルダーになったきっかけ

まず初めに、鈴木さんはなぜボディビルダーを志したのですか。

私はもともと痩せ型で、体重も50kgくらいしかなかったんです。自分の体にコンプレックスを感じて、21歳のときにトレーニングを始めました。体というものはすごく正直にできていて、しっかりと食べて、しっかりとトレーニングをすることでどんどんと変わっていくんです。やった分だけ結果が出るのが楽しかったですね。だから、最初からボディビルという競技をやろうと思っていたわけではなく、トレーニングで体を変えることが楽しくて、その延長線上にボディビルがあったんです。

トレーニングでは専用のシューズを履くべし!

ボディビルのトップ選手の中には、食事やトレーニング方法にこだわりを持っている方も多いと思いますが、シューズにも同じことが言えるでしょうか。

そうですね。意外とシューズのことは取り上げられないですが、実はこだわっている選手が多いです。細部までこだわらないと、いい体はつくれないと思います。

ランニングシューズなどを代用するのではないのですね。

トレーニングではトレーニング専門のシューズを履くべきです。体の仕組みについて理解すればするほど、シューズの重要性を感じるようになりました。トレーニングでは様々な種目で強く踏んばることが必要です。だから、足の裏の感覚はすごく大切なんです。
例えばソールが厚くて柔らかいランニングシューズは、重たいバーベルなどを担いだときに足裏が沈んでしまい、重心が安定せずにバランスが取りづらくなる。トレーニングでは、足の裏が安定した状態で踏みしめることができるシューズを選ぶべきだと思います。
また、軽いシューズを選んだ方がいいですね。足首の動きはとても重要です。シューズが重たいと、足首の動きが制限されてしまいますから。例えば、立った状態で足首を背屈(足の甲を上げる)してみてください。すると、骨盤が立って股関節を動かしやすくなるはずです。逆に足首を寝かせた状態にすると、股関節ではなくヒザを動かしやすくなります。

股関節から動くか、ヒザから動くかによっても体づくりは変わってきます。スクワットなどで股関節からしゃがむとハムストリングに、ヒザから曲げると大腿四頭筋に効きやすくなります。

ハムストリング、大腿四頭筋は、どこの部位を指しますか?

ハムストリングは太ももの後ろ、大腿四頭筋は太ももの前の筋肉です。同じ「しゃがむ」という動作でも、足首の使い方によって、効く筋肉が違ってくるんです。

トレーニングシューズ選びへのこだわり

鈴木さんがトレーニングシューズを選ぶときのこだわりを教えてください。

トレーニング中にシューズの中で指を開くことができるものを選びます。指先が閉じたままだと、つま先で踏んばりがちになってしまうんです。靴の中で足の指を閉じて、床をぐっと押してみてください。カカトで踏みづらいですよね?

本当ですね。

今度は指を広げてみてください。カカトで踏み込みやすいはずです。先ほどの足首の話と同じように、カカトで踏むことで股関節が動かしやすくなります。だからシューズは、圧迫感を感じずに指を広げられるものを選んでいます。またソールの柔らかさも大事なポイントです。私がよく履いているイノヴェイトの「BARE XF 210」はソールが薄くて柔らかくて足を動かしやすく、足の指で噛んでいる感覚が掴めます。足の指で噛むと、力をぐっと入れやすくなるんです。でも、ソールが固いシューズでは、この噛んでいる感覚が掴めない。

力を入れるときはシューズもガチガチに固めたほうがいいのかと思っていました。

靴の中で“遊び”が少しあったほうがいいです。私はイノヴェイトのトレーニングシューズを履いているのですが、イノヴェイトのシューズのいいところは、感覚は素足に近いんですが、ソールが薄くて柔らかいので足裏が痛くならない。そういうシューズって、なかなかないんです。また、足の裏が床にフィットするのでスクワットをやるときも重心がブレません。

トレーニング種目によって、シューズを変えることもあるのでしょうか。

もちろんあります。例えば、腕のトレーニングではぐっと踏んばるので、意外と足を使うんです。デッドリフトなど、下からバーベルを引っ張り上げるような種目もそうです。そういった種目では、ソールが薄くて重心が安定するシューズを履くようにします。実際にイノヴェイトのシューズを履くようになって上半身のトレーニングがやりやすくなりました。同じものを履いている周りの方から、背中の筋肉が発達したという声も聞きます。また、レッグプレスなどで高重量を扱うときは、厚めでしっかりと足にフィットするものを履きます。

トレーニングシューズの買い替え期間は?

基本的には、そのとき使っているものよりも優れたものが出たら買うようにしています。より良いものを選ぶようにしています。

サイズ感についてはいかがでしょうか。

普段のシューズは27㎝、27.5㎝のものを履いています。イノヴェイトのトレーニングシューズは幅が広く設定されているので、ワンサイズ小さいものを選んでいます。地面に足をつけたとき足裏の感覚、重心の位置、指先で噛む感覚、足首の動かし方などはとても大切です。本来、ヒザやヒジに巻くストラップなどにこだわる人は多いですか、本来シューズはいちばん最初にこだわるべきものです。

最後に、鈴木さんにとって「ボディビルダー」とはずばり何でしょうか。

人生をかけた最高の趣味です。よくボディビルダーはストイックだと思われがちですが、私は自分のことをストイックだと思ったことはありません。ボディビルのトップ選手で「俺はがんばってトレーニングをしている!」と思っている人は1人もいないと思います。トレーニングについて勉強することも、まったく苦痛ではありません。ボディビルは敬遠されがちなんですが、やっていることはみなさんがやっているダイエットなどの体づくりと一緒です。普通の答えになってしまいますが、私にとってボディビル、トレーニングはまさに「生活の一部」です。

<プロフィール>

鈴木雅(すずき・まさし)
1980年、福島県出身。
身長167㎝/体重80kg
2004年にコンテストデビュー。2005年に日本ボディビル選手権に初出場。2010年からは9連覇を達している日本ボディビル界の絶対王者。2016年にはスペインで開催された世界ボディビル選手権80kg級で優勝し、日本人ボディビルダーとしては約40年ぶりとなる世界王者に輝いた。

鈴木選手のインタビューが掲載されている「IRON MAN」4月号は3月12日発売開始!詳細はコチラから。

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