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2019年06月20日

暑い日も快適なデサントウエア!
放熱機能を備えた素材
クーリスト開発対談

スポーツと切っても切れない関係にある「汗」。スポーツをする人にとっては、汗をかいても快適にプレーできるウエアがあると、スポーツがより楽しくなりますよね。そんな中、デサントが独自で開発した素材が、新しいコンセプトの「放熱」機能を備えたCoolist D-Tec(クーリスト)。この新素材はウエアを涼しくドライに維持します。今回は、開発に携わった東洋紡STCの森井浩之さんとデサントの機能・品質開発課の新居茉莉さんに、クーリストがどのような素材なのか、おすすめの着用シーンなどについてご紹介いただきました。

<クーリスト開発に携わった対談者紹介>

東洋紡STC
技術開発部 開発グループ
森井浩之さん

東洋紡入社から繊維関係に携わり、スポーツウエア用生地には20年来の知見を持つ。

デサント
R&Dセンター 機能開発部 機能・品質開発課 主事
新居茉莉さん

バイオメカニクス(運動を力学的に研究する分野)に携わったのち、ウエアの快適性などを大学と連携しながら研究し、商品開発に関わっている。

「最大限のパフォーマンスを発揮するために、快適さが重視されるスポーツウェアにおいて、吸水速乾や紫外線(UV)カットなどの暑さ対策をしてくれる機能性は大切です。今回誕生したクーリストは「放熱」をコンセプトにしていますが、どのような発想から生まれたのでしょうか。」

新居 近年の夏は、本当に暑いですよね。暑い日が続くので、ウエア開発に携わる者として「なんとかして、涼しくなるウエアを作れないか」と思ったのがスタートです。涼しくなる方法をいろいろ調べていたら、気化熱※を使った面白いクーリングの活用方法を見つけました。
使うものは、素焼き(テラコッタ)の植木鉢2つと、土、水、大きめの布です。直射日光が当たる屋外で、植木鉢を重ね、その隙間に土を詰めて水を入れます。その上に布をかぶせて時間をおくと、植木鉢の中が気化熱でとても涼しくなるんです。アウトドアなどで飲み物を冷やしたりして活用されてるみたいですね。

※気化熱…水分が蒸発するときに周囲の熱を奪うこと


森井 土の中にある水分が蒸発するときに、かぶせている布の下側の鉢の内部の熱を吸収してくれるので、涼しくなるんですよね。

新居 実際に、当社の屋上を使って、真夏に実験してみました。植木鉢の中の温度は、周囲に比べて、なんと約6度も低かったんです。電気を使うことなく、自然の仕組みで涼しくなることに驚き、これをウエアにも応用できないかと考えました。そこでまずは、これまでも当社ウエアの素材を作っていただいている東洋紡の森井さんに相談しに行ったんです。無理を承知でお話ししてみたところ、実現するとしたら、糸から作る必要があると思ったので、東洋紡さんのお力なしには不可能だと思いました。

森井 「涼しくなるウエアを作ってください」といきなり言われて、これまでにない素材を作るオーダーでしたので、正直冷や汗をかきましたよ。

新居 でも、いろいろと試行錯誤しながら、実現するにはどうしたらいいかを前向きに検討くださいました。そのおかげで、相談してから3年で私たちが求めていたものが完成しました。

従来のウエアとはどのような違いがあるのでしょうか。

新居 発汗機能と保温機能を持つマネキンを用いて、クーリストと綿素材のシャツをそれぞれに着せ、発汗後にシャツを脱がし、マネキン表面の温度をサーモグラフィーで比較しました。赤いほど温度が高く、青いほど低いことを示しています。


新居 クーリストを着用していたマネキンの方が、青い部分が多い。つまり、表面温度が低いことを表しています。このことは、水分をより早く蒸発させているので、涼しく感じるということです。

森井 スポーツウエアの素材として代表的なのが、化学繊維の「ポリエステル」です。ポリエステル糸にもさまざまな種類があるのですが、通常、一着のウエアを作るのに1種類のみ使うことがほとんどです。しかし、クーリストについては、1本の糸に2種類以上の繊維を複合して作っています。中心部には水分が拡散しやすい糸を使用し、その周りを囲むように生地が透けにくく肌触りのよくなる糸を使っていますよ。

新居 中心部の糸は、水分をすばやく吸って広がるので、乾くスピードも速い。そのため、ウェアの肌離れも良くなります。中心部を囲んでいる糸とも相まって、着心地の良さを実現しています。素早く乾く事は、汗冷えを防ぐことにもつながります。汗をかいてもサラッとしていて気持ちいいですよ。

森井 開発する上で難しいのは、機能性とデザイン性を両立すること。汗を吸収しやすくした素材を作ると、どうしても生地が透けやすく強度も弱くなってしまう。デサントさんで商品として出すためには、強度はもちろん、デザイン性も担保しなければならないので、納得いただけるまで繰り返し試作しました。

新居 メーカーとしては、やはりお客様に着ていただいたときに、気分が上がるようなウエアにしたいという思いがあります。

森井 最終的にデザイン面でもOKをいただいて、従来の吸汗速乾性のあるウエアよりも、はるかに乾きが早いことが実験からも明らかになりました。洗濯した際にも乾きやすいので、連日スポーツをするような場合にも便利だと思いますよ。

デサントには、かねてから展開されている「サンスクリーン」という素材もありますが、クーリストとの違いを教えてください。

新居 クーリストは、お話ししてきた通り、汗を素早く広げて気化し「放熱」により、衣服内を涼しく快適に保ちます。一方、サンスクリーンは熱線や紫外線をブロックする生地を使うことで、衣服内の温度上昇を抑えるという性質を持っています。「着る日傘」とも呼ばれているほど。デモ機を使った実験でも、当社従来品とサンスクリーン素材では、温度上昇を抑えることが分かります。

箱は中央で二つに分かれており、それぞれに電球が設置されている。左側には当社の従来品素材、右側にはサンスクリーン素材が入っている。
電球を灯して数分後、2つの箱の中の温度は、従来素材の方が37.2℃、サンスクリーンの方が34.5℃と、後者の方が温度が低いことが分かる。

新居 クーリストサンスクリーンいずれもクーリング機能を持っていますが、特に日差しの下でスポーツをするときにはサンスクリーン、屋内外問わず湿度が高い時や、汗をたくさんかくときにはクーリストなど、シーンによって使い分けるといいかもしれません。クーリストもサンスクリーンも、夏の二大おすすめウエア素材。ぜひ着用して、良さを体感していただきたいです。

最後に、開発者のお二人から、クーリストを特にどういう方におすすめしたいですか。

新居 暑い日が続くので、快適にスポーツを楽しみたいという方には、ぜひ試していただきたいです。スポーツをする人にとどまらず、スポーツを観戦するときやフェスなどのレジャーでも活躍するはず。暑さ対策として誕生した商品なので、暑い季節や暑さを感じるシーンには、ぜひクーリストのサラッとした着心地を味わってほしいです。

森井 ゴルフでラウンドをしたことのある方はご経験あると思いますが、お昼休憩の時って、かなり体が冷えますよね。午後のラウンドに向けて着替える人もいますが、クーリスト素材のウエアを着ていた時は、それが不要だったという話を聞きました。汗冷えが気になるシーンや、汗っかきの方、蒸し暑いときなど、これまでのウエアとの違いを実感いただけると思います。

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