2023.11.24
Penguin Mag
「ポロシャツを一番上のボタンまで閉めて、そこにこういうヒネリの利いたカーディガンのような新しいデザインのものを羽織るというのが、温故知新なマンシングらしいんじゃないかと思っています。」
スイングを妨げないラグランスリーブで、
パッチポケットを配したよりシンプルな側面との
リバーシブル仕様。
「オーセンティックなスイングトップは襟がパタパタと邪魔になったり、袖口がボタンで面倒だったりするので、そういう部分を解消したものが作りたくて。リバーシブルのシンプルな面には、袖口にさりげなくペンギンを入れています。」
「オーセンティックなスイングトップは襟がパタパタと邪魔になったり、袖口がボタンで面倒だったりするので、そういう部分を解消したものが作りたくて。リバーシブルのシンプルな面には、袖口にさりげなくペンギンを入れています。」
「天気の心配がいらないこともそうですが、脱ぎ着が多くなるアウターで、シワがつきにくいというのもこのコートの大きな利点。すごく快適です。」
リバーシブルブルゾンは
ウィメンズモデルのみタータンチェックとネオンカラーとの切り替えになっている。
伸縮性のあるポリエステルボディは軽やかで、ストレスフリーな着心地が楽しめる。
「裏面はよりシンプルなので、ゴルフ場を出るときには裏返して着てもらえたら良いんじゃないかと思っています。」
「裏面はよりシンプルなので、ゴルフ場を出るときには裏返して着てもらえたら良いんじゃないかと思っています。」
「合わせたラップスカートはマンシングの通常ラインのものですが、こういうチェック同士の組み合わせも面白いと思いますよ。」
メンズ
タータンチェックコーチジャケット
税込36,300円
メンズ
タータンチェッククルーネックセーター
税込33,000円
メンズ
吸汗速乾タータンチェックプリント長袖シャツ
税込19,800円
タータンチェックっていうのは、
言ってみれば家紋みたいなもの
ー早速ですが、今回近藤さんがこの企画に参加された経緯を教えてください。
元々マンシングウェアさんとキンロック・アンダーソンのコラボレーションが継続していた中で、「近藤さんの好きなように、一緒にやってみませんか?」とお声がけいただいたのが最初です。キンロック・アンダーソンの正統なタータンチェックで面白いことができそうだなと、僕も手をあげさせてもらいました。
ー正統なタータンチェック、というのは?
1868年からあるキンロック・アンダーソンの、本物のスコットランドのタータンチェックということですね。例えばアメリカっていう国はできてまだ100年ちょっとですけど、そういう意味では服においてはイギリスという国はよりオーセンティックだと思うんです。僕は日本にスタイリストという言葉すら無かったような時代に22歳で活動を始めてもう45年くらい経ちましたけど、やっぱり例えばチャールズ国王とか、ああいう人たちの着こなしが基本中の基本として刷り込まれていて。公式の場に出るにしても乗馬をするにしても、他のTPOにしてもあれが服なんだ、という感じがするんです。
ーオシャレの基本、ということですか?
オシャレというより、あれが“ザ・オーセンティック”のお手本のような感覚かなぁ。服のサイズ感、シャツの襟やネクタイの幅、スーツの形とか。その中でタータンチェックっていうのは、実は皇室や王室、いろんなところが自分たちのチェックを持っているんです。家柄が代々タータンチェックに象徴される。それだけ伝統的なものだし、言ってみれば家紋みたいなものなんですよね。そういう意味で、タータンチェックというものをあらためて皆さんに知ってもらいたいなと思ったんです。
ー先のエリザベス女王の崩御でも、英国の正装としてのタータンチェックを再認識された方は多かったかも知れませんね。
そうですよね。それにイギリス出身のミュージシャンにしても、昔からタータンチェックって取り入れられているじゃないですか? パンクや反イギリス社会を掲げる人たちも使うし、音楽にも根付いている。正統派も反正統派も、相反するものがタータンチェックで表現されている。そこを掘り起こしていくと、タータンチェックってすごいなぁ、と。
ーでは、最初にできたアイテムもやっぱりチェックのものだったんですか?
そうですね。このコート(上記写真)が最初にできたんですが、一番やりたかったアイテムもコレです。ステンカラーコートでチェックって、普通は裏地にしか使われないんですけど、今回はあえて表地にしてます。特別にタータンチェックを載せたストレッチのナイロン生地を開発していただいて。フロントは脱ぎ着がしやすいようにボタンじゃなくジップにして、背中のヨークは中がメッシュ生地になっていて、外側にはプリントも入れました。このコラボエンブレムが、どうしても使いたかったんです(笑)。
ーロイヤルワラントのイメージですね。
そうですね。クラシックすぎず、先を行きすぎない塩梅というか、その落とし所に今回の協業では一番悩んだかも。例えばゴルフで着丈の長いコートっていう選択肢って、基本は無いじゃないですか。でも、今回は“街で着られるゴルフウェア”という側面も兼ね備えたものにしたかったんです。
クラシックでも古く見えないイメージを、
どうやったら現代で表現できるのか
クラシックでも古く見えないイメージを、どうやったら現代で表現できるのか
ー汎用性を高めたかった、ということですか?
いや、それよりも着てくれる人の日常からかけ離れないものにしたかったから、ですね。街からゴルフ場へ、ゴルフ場からまた街へという風に。僕がスタイリストとしていつも気にしていることでもあるんですけど、その人がその服をずっと前から着ているように服をコーディネイトするのが僕は一番好きで、そういう着せ方が僕のスタイリングの一番のポイントだと思ってます。著名人のスタイリングでも、その服を着て現場入りしたように見せたい。本来、わざわざ着替えたり、スタイリストが何かをするのって不自然なはずだと思っているので。だから今回も街とゴルフ場、両方で違和感が無いものを目指したかったんです。
ー著名人のスタイリングというお話が出ましたけど、今回の近藤さんとマンシンングウェア、キンロック・アンダーソンのコラボレーションでルックのモデルをされている本田圭佑さんは、日頃から近藤さんがスタイリングを手掛けられているんですよね?
そうですね。でも今回は当初、本田さんの登場については予想すらしてなかったんです。それよりもキンロックのタータンチェックをどういう風に生まれ変わらせるか、クラシックでも古く見えない、自分が子供の頃に洋雑誌の広告で見ていたようなマンシングウェアのイメージを、どうやったら現代で表現できるのか、ということだけを考えていたから。
ーそうだったんですね。でも、本田さんご自身もゴルフをされてるとはお聞きしていたので、すごく必然性がある人選だったようにも思えました。
今まで長いこと本田さんのスタイリングをやらせてもらってますけど、自分が作った服を着てもらうというのは初めてのことだったので、特別な意味がありましたね。僕が作ったって、本人にはしばらく言わなかったんですけど(笑)。
ーそれはまたなぜですか?(笑)
できるだけニュートラルに服を見て欲しくて。ルックの撮影の後半ぐらいに「実は僕が作ったんです」と言ったら、「え? そうだったんですか!?」みたいな。
ーご本人からしたら、「先に言ってくれればいいのに…」という気持ちだったでしょうね(笑)。
そうかも知れません(笑)。その時の服装のイメージとかテーマとか、それは本田さんと僕が普段からやってる会話ですからね。本田さんも自分の考えがあれば、しっかり口に出す人なので。
ーそういう印象がすごくあります。とはいえやっぱりトップアスリートだけあって、こういうトラディショナルなスポーツカジュアルもすごくハマっていましたよね。
似合いますよね。スタイリストの目から見て、本田さんは体型的に素晴らしいですよ。パーフェクトだと思います。撮影した次の日もゴルフの予定だったみたいで、「欲しい」と言ってくれたので今回着てもらったウェアはそのまま全部お渡ししました。
ー着てくれたモデルで、実際にゴルフもする方からのそのリアクションは最大の賛辞なんじゃないですか?
そうですよね。まさに衣装と普段着の境目が、無いっていうことですから。