A級ライセンスコーチ 明神智和氏 インタビュー
presented by UMBRO COACHERS

2023.01.17

プロサッカー選手としても活躍し、現在はユース世代の選手を指導する明神智和氏。同じくユース世代を指導・育成する指導者とのトークイベントを開催。指導者ならではの悩みを明神氏がお答えします。

明神智和氏 Q&A

選手とのコミュニケーションについて

Q:選手とコミュニケーションをする上で気をつけていること、注意していること、言葉がけなどを教えていただきたいです。

僕自身が気をつけていることは、出来るだけ1人1人に話せるように、ちょっとしたことでもいいですし。例えばスパイクが変わっていたら「新しくなったね」とか。それが特定の選手とコミュニケーションをするのではなくて、1週間トータルで見たときに全選手にある程度均等に声をかけられたらなと思ってやっています。

なんとなく選手からエネルギーを感じないときは、厳しい言葉を言ったり、モチベーションを上げたりしないといけないですし、そういう言葉を使ったり、態度・ジェスチャーで示すこともあります。どういう言葉をかけた方がいいかというのは、ものすごく考えます。試合前とか、監督・コーチの言葉をいっぱい言われても入ってこないと思うので、出来るだけ短く、わかりやすく、でも心にぐっと届くような言葉とかは考えます。

「自主」と「強制」について

Q:これからの選手に「自主」と「強制」のどちらが必要か、考えを教えてください。

間違いなく「自主性」は大事だと思います。これからどんどんサッカーをやっていく中で壁にぶつかったり困難にぶつかったりするときに、やはり自分で考える力は、必ず必要なので。自分で考える力を付けさせるためには、普段から「なぜうまくいったのか?」とか「なぜうまくいってないのか?」というのを自分で考える実践を習慣として身に付けていないといけないと思うんです。

ただ、その最低限の基準といいますか、やはり指導者が…「強制」とはちょっと違うと思うんですけど…示さなきゃいけないと思いますし。その部分では、なかなか今の時代、厳しいことって言いづらかったり、やりにくかったり。ただ、どれだけ選手をそういうギリギリのところに持っていけるかというのは、今でも僕自身悩んでいるんです。

状態がいいとき、チームのプレーがいいときはみんないいプレーをするんですけど、例えば試合の中でうまくいかないときに、どうそれを自分たちの中で解決できるかとなったら、それくらい厳しい難しい状況を練習で作らないといけないと思うんです。その難しい状況を、例えば体力的に追い込まれた状況をこっちが強制的に作ることは可能だと思うんです。そういう、体力的な強制で難しい状況を作る、その上でそこから先、自主性を…うまく伝わりにくいですけど、いつも考えていることですね。

理想の選手像とは?

Q:選手時代から指導者時代まで多くの選手を見てこられたと思いますが、その中でトップ選手になる条件は何かありますでしょうか?

技術とかフィジカルはなくてはいけないんですけど、いちばんはメンタリティというか人間性といいますか、自分に矢印を向けられる選手。うまくいかなかったときに、まず他人のせいにするのか、環境のせいにするのか、相手のせいにするのか。それともまず自分に矢印を向けて、「自分のここが良かったか?」、「ここが駄目だったか?」と、そこをまず考えられる選手がやっぱり最後はトップになっていくと思います。

僕自身が「いい選手だな」と思うのは…特に小さい年代に関しては…とにかくボールを受けたがるとか、ゴールに向かうとか、「勝ちたい」とか、得点したら「嬉しい」とか、失点したりボール獲られたら悔しくてすぐ獲りに行くとか、まずそこの人間的な意欲というところはまず見ます。その上で、自分で思うようにボールを扱える、扱いながらゴールに向かえるか。ゴールに向かう上で結構僕が注目しているのは、ボールを扱いながら顔を上げられるかっていうのは、大事な選手の要素なんじゃないか、特に小学生とか中学生くらいになったら、見るポイントとして意識しています。

明神智昭氏トークイベント全編の動画はこちらからご覧いただけます。

参加者様(敬称略)
寺田 尚義(大商学園高等学校)、佐藤 翔(FC琉球)、渡辺 駿(日本文理高等学校)、鈴木 佑輔(実践学園高等学校)、山本 昌輝(聖望学園高等学校)、松本 侑樹(昭和学園高等学校)、安 泰成(大阪朝鮮中高級学校)、山本 英(高石中央JSC)、本間 清晃(大谷室蘭高等学校)、斉藤 敬嘉(AVANCE SOCCER SCHOOL)、下田 裕輔(四日市中央工業高等学校)

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明神 智和 Tomokazu Myojin

生年月日:1978年1月24日
出身:兵庫県神戸市
身長/体重:174cm/70kg

サッカー歴:柏レイソル → ガンバ大阪 → 名古屋グランパス → AC長野パルセイロ

1997年
2000年

2001年

2002年

FIFAワールドユース選手権 ベスト8
シドニーオリンピック ベスト8
アジアカップ レバノン大会 優勝
FIFAコンフェデレーションズカップ
日韓大会 優勝
FIFAワールドカップ日韓大会 ベスト16

指導歴
2020年 A級コーチライセンス

資格
A級コーチライセンス