ダウン製品の取扱いについて
2022/11/20

▼ダウン製品の取扱いについて
Q:羽毛(ダウン)の特徴は?
A:羽毛のなかには、主に次の3つが含まれます。
写真1 羽毛の種類
(1)ダウン[Down:綿毛]
(2)ファイバー[Fiber:ダウンからちぎれた羽枝(うし)]
(3)フェザー[Feather:羽根]
ダウンとは、がちょう(グース)やあひる(ダック)などの水鳥の、フェザーとフェザーの間に生えているボール状の綿毛のことであり、ダウンボールとも言います。ダウンの良し悪しは、このダウンボールの含有量が決め手になります。また、羽毛には、ホワイト、グレーなど、色による外観上の品位の差もあり、一般的には、ホワイトの方が良いとされています。
なお、下げ札などに書かれている羽毛の組成表示では、”ダウン○○% フェザー○○%”のように表示されていますが、フェザーやファイバーなどのダウン以外の羽毛は、すべて”フェザー”と表示するよう法律(家庭用品品質表示法)で決められています。
<羽毛(ダウン)の特性>
ダウンには、次のような優れた特性があります。
●保温性
ダウンには、互いに絡み合わない性質があります。このため、ダウンは多量のデットエアー(動かない空気)を含み、ふんわりとかさ高くなっています。
空気は、熱伝導率が非常に低く、断熱保温材の役目を果たし、大きな保温性を示します。
●吸湿性
ダウンは、化学的にはウールと同じように、ケラチンという動物性蛋白質で構成されています。このため、ウールと同様、吸湿性に優れ、さらに、発散性にも優れ、衣服内の湿度をコントロールする機能を有しています。木綿などと異なり、吸湿しても人間の体に、湿感や冷感を伝えないのが、大きな特徴です。
●コンパクト性
ダウンの羽枝は、柔らかく、弾性(しなやかさ)に富んでいるため、押さえれば簡単にかさ(容積)は低くなり、その力を除くと容易に元の状態にもどる優れた復元性を持っています。ウェアになると、持ち運ぶ時には丸めて小さく、着る時にはすぐふっくらとした状態に戻る優れたコンパクト性を示します。
●軽量性
ダウンは、大量の空気を含んでいます。従って、かさ(容積)の割に、非常に軽量です。
<ダウンと中わたの違い>
ダウンと中わたの大きな違いは吸湿性です。また、保温性と軽量性も違いがあります。
ダウンは、吸湿性に優れ、保温性が高いだけでなく、非常に柔らかく軽量です。
中わたは、ポリエステルなどの化学繊維で人工的に作った綿のことです。ダウンやフェザーに比べて水に強く洗濯しやすいメリットがあります。
Q:フィルパワーとは何ですか?
A:フィルパワーとは、羽毛のかさ高性を現す単位です。
フィルパワーの数値が大きいほど空気を多く含むため、保温性に優れた良質なダウンといえます。
フィルパワーが大きいと、少ない量のダウンでかさ高いダウンが作ることができるため、軽いウェアとなります。
羽毛1オンス(28.4g)のダウンをシリンダー内に入れ、一定荷重を掛けた時の膨らみ度合いを立法インチ(2.54cm立法)で示します。
Q:ダウン製品の洗い方は?
A:洗濯は、商品に縫い付けられた取扱い表示にしたがってください。
●手洗いができる以下のマークがあれば、自宅で洗濯可能ですが、洗浄や乾燥が不足することがあります。このため、クリーニング店でのウエットクリーニング(注)をお勧めします。 (注:ウエットクリーニングはクリーニング店でのマイルドな水洗い)
●中性洗剤使用の付記がある場合は、ウール・シルク用の中性洗剤を使用してください。
●以下のマークがある場合はご家庭での洗濯ができない製品です。ご家庭での洗濯を避けて、クリーニング店にお出しください。
Q:ダウン製品の保管方法は?
A:シーズン終わりに下記手順にて保管を行ってください。
●衣服についた汚れは、虫食いの原因になります。保管前に、洗濯、クリーニングにより汚れを取り除いてください。
●湿気は、カビの原因になります。保管前に湿気を十分に取ってください。
また、クリーニングから戻ってきた際のポリ袋は、湿気の原因になりますので取り外してください。
●ウェアは、たたまずハンガーで保管してください。
●保管場所は高温多湿を避け、通気性の良い場所に保管し、時々陰干ししてください。
●保管の際は、カビ、虫から衣類を守るために防虫剤と乾燥剤の両方を使用してください。
●定期的に、クローゼット内の空気の入れ替えを行ってください。