2025.11.14
「SCHEMATECH LIGHTNING(スキーマテックライトニング)」の開発は、
ブランドが掲げる揺るぎない哲学「機能美」と、
アスリートからの切実な要望、
そして技術的課題を克服するための創意と工夫の結晶です。
夜間や早朝のトレーニングで課題となる“視認性”に対し、
デサントは糸の再帰反射機能を活かしながら、スキーマテック技術を組み合わせ、
快適性と美しいシルエットを両立した”光る”ウェアの開発を実現。
プリントではなく、生地に直接“編み込む再帰反射”により、
剥がれや摩耗を防ぎ、視認性を長く持続させます。
”プロテクト(守る)”と”ロングライフ(長く使い続ける)”
を体現したアイテムです。
素材の特性と構造設計の両立、そしてアスリートが求める快適性。
いくつものトライ&エラーを経てたどり着いたのが、 SCHEMATECH LIGHTNINGが放つ独自の輝きです。
ヨーロッパ(スイス、イギリス)のトライアスロンチームと対話する中で、夜間や早朝といった暗い時間帯に移動やトレーニングを行うシーンが多いことに着目しました。
アスリートは1/100秒を争う競技の瞬間だけでなく、その前後、家を出て会場へ向かう時間、試合へ心を整えるプロセスもまた、大切な戦いの一部です。その移動の時間にも機能的で、スタイリッシュで、ベストなコンディションを支えられるウェアを開発しようと考えました。
光る糸を生地に直接編み込み、生地そのものに反射機能を持たせることで、摩耗や洗濯にも耐え、移動時にも美しく見える上質なニット構造を両立できないか。
そんな“守ること”と“長く使えること”を軸に、開発が始まりました。
機能だけでなくて、情緒的な部分。選手の心が弾むような表現、開発を目指しました。
室内では心地よく、外に出てもラフすぎない、ニット独特の柔らかなシルエットを最大限活かせるようなパターンを開発しました。
そして夜間の視認性も重要です。全面に光る糸を使うと重くなったり硬く動きにくくなるので、効果的な糸の配置を検討。全方向からライトが当たったときに効率よく光るように設計しながら、マルチに着用できるウェアとして開発を進めました。
実現できるかできないか、まったく分からない状態からのスタート。スムーズにいかないことばかりでしたが、糸選び、編み地設計、視認性の効果、着用検証試験など、試し、見直し、また挑戦し、その積み重ねで答えを見つけていきました。
最大の課題は光る糸”リフレクター糸”の使い方。ザラつきや硬さが出やすく、肌当たりや見た目の美しさを保つのが困難でした。肌触りについては、何度も糸の太さや編み方を変え、サンプルを作って風合いを保ちながら光るよう、時間をかけて調整しました。
もう一つの課題はニットの特徴を活かしつつ、品位ある見た目を保つことです。ニットは柔らかく動きやすい反面、強度が弱く垂れやすいので、フードの見返しや前立て裏に布帛を組み込み、接着技術や裏のシームテープで補強しました。これにより、肌ざわりを損なわずにニットの“骨組み”を作り、垂れを解消。パーツの切り替えや組み合わせも試行錯誤しながら、快適性と美しさを両立させた一着が完成しました。
「Schematech (スキーマテック)」とは、1枚の生地の中で糸の織り方や編み方を変え、異なる機能性を付与する特殊技術です。
今回はデサント独自の発汗データ分析に基づく「スウェットマッピング理論」を用いて、背中や脇、肘などの汗をかきやすい部位に生地の通気性を高め、さらに光る糸を組み込む事で再帰反射機能を持ちながらも、柔らかく軽やかな着心地を実現。
長く光り続ける機能と美しさ、両方を追い求めた先に生まれたのが、SCHEMATECH LIGHTNINGです。
光る糸×スキーマテックで生まれた、
SCHEMATECH LIGHTNING
着て初めて完成するウェアだから、機能と情緒を両立。日常もスポーツも、着るたびに心が高まる体験を届けます。
鹿児島県出身。入社以来デサントブランドの SKI・SKI スケート競技販促・アウトドア・TRAINNIG のデザイン設計に携わり、現在はトライアスロン・PRO 開発・その他新規中長期開発のデザイン設計を担当。
京都府出身。入社以来、アパレル製品企画に携わり、デサントブランドの各カテゴリMDを経て現職。現在は研究開発課にて、複数のプロジェクトで新技術の研究および素材・製品開発のディレクションを担当。
新潟県出身。新卒でデサントに入社し、マーケティング部門を経て3年前からMDを担当。PROシリーズに携わり、世界各国のトップアスリートや国内の実業団などに向けたプロダクトを手掛けている。